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仙腸関節（せんちょうかんせつ）のお話 
体の中にはほんとうにたくさんの関節が存在します。その中で１つだけ選びなさいと言われたら皆さんはどの関節を選びますか。急に聞かれても分かりませんよね。私は迷うことなく「仙腸関節（せんちょうかんせつ）」を選びます。
関節の名前は関節を構成する骨の名を取ることが多いのです。仙腸関節の「仙」は背骨の一番下の骨「仙骨」、そして「腸」は骨盤を構成する３つの骨のひとつである「腸骨」です。
この関節が左右バランスよく滑っていると体も調子が出ます。いろいろな理由でバランスが崩れますと、それぞれ特有の症状が出てきます。たとえば左の動きが悪いと消化器系に問題が起こる傾向になり、右ですと心臓、肺等の循環器系です。
この仙腸関節は上半身の重さをしっかり支え、さらに下半身からの反力をしっかり受け止めます。この関節がうまく滑らないとうまく立って歩くことができなくなります。この関節の面には大変な力がかかっています。それゆえこの関節にはその力を受け止めつつ、関節を滑らせるのに特別な仕組みを持っています。仙腸関節の表面精密に測定しますと、微妙な凹凸が見られます。
両方の関節面にへこみがあり、その中に関節の潤滑液がたまり、大きな力がかかったとしても、関節面は触れることなく、いつも潤滑液が存在して滑り続けます。この潤滑液の溜め池が動き続けるのに大変重要な役目を担っているわけです。ですから接骨院に来られる方にはこの仙腸関節の潤滑性を必ず検査させていただいています。
さらに驚くことには、この仙腸関節の左右のバランスを自分で調整する働きを人間は持っているということです。自分で調整することができればこれに越したことはありません。感の良い方はもうお分かりですね。そう、それは歩くことです。人は歩行によって仙腸関節の左右のバランスを自分で調整することができるんです。これを聞いては歩かざるを得ませんね。まだまだ暑い日が続きますので、歩行は朝夕の涼しい時を選びましょう。そして帽子、タオル、さらには給水に留意してください。
＊「ゆい」とは漢字で「結」と書き、人と人とを結びつけ助け合うという意味です。沖縄にも同意で「ゆいまーる」という言葉があります。
院長プロフィール 坂路孝夫 さかじたかお
東京都北区生まれ。山梨大学で精密工学を専攻し卒後、日本製鋼所にて８年半にわたり石油精製所の脱硫塔の設計をするという異色の経歴を持つ。坂路接骨院初代院長である父の影響を受け、柔道整復師・診療放射線技師の資格を取得。父の医療、患者様への熱意と技術を受け継ぎ、坂路接骨院院長となる。「一人一人のニーズに応じた医療を行いたい」という思いを胸に人々が健康で幸せに暮らせる医療を目指し日々邁進している。
